RC造 柱の構造設計・計算方法 & 部材提案ツールの活用法

構造VEドットコムをご覧いただき、ありがとうございます。

この記事は、鉄筋コンクリート造(RC造)の柱の構造設計や構造計算において、主に考慮すべきポイント参考になる文献をご紹介します。

また、こうしたポイントに対応しつつ経済的な設計を支援する「RC造柱 部材提案ツール」の便利な使い方と、その計算根拠についても紹介します。

ツールの利用者様だけでなく、構造設計の実務や、一級建築士試験等を学習している方にも役立つ内容です。

なお、ツールを初めてご利用の方はトップページの利用規約をご確認ください。

目次

(※クリックすると該当箇所にジャンプします)

  1. 軸方向力と曲げに対する断面の算定

2. せん断力に対する断面の算定

3. 付着に対する断面の算定

4. 二軸曲げに対する検討

5. 部材種別の指定

6. 水平投影定着長さLa

7. 最上階の大梁への主筋定着長さL2

8. 最多主筋本数と最小主筋本数

9. ツールの基本的な使い方

10. ツールの効果的な使い方

11. ツールの対象範囲

12. ツールのコスト計算根拠

13. 参考にさせて頂いた書籍とHPリンク集

1.軸方向力と曲げに対する断面の算定

RC造柱の軸方向力と曲げに対する断面算定は『鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説2018年版(書籍リンク)』の「第14条 柱の軸方向力と曲げに対する断面算定」(p.138~)を参考に行います。

※著作権の関係上、具体的な計算式は書籍をご確認ください。

この規準では、使用性の確保のために「長期荷重時」、損傷制御のために「短期荷重時」の最大曲げモーメントに対して設計することが求められています。

 軸方向力と曲げモーメントを同時に受ける柱においては、許容軸方向力と許容曲げモーメントを連成して求めたM-N曲線により許容曲げモーメントを計算して、最大モーメントとの比較により検討を行う必要があります。

最大曲げモーメントに対して許容曲げモーメントが不足する場合、主に以下の対応方法があります。

・主筋の本数を増やす。

・主筋の径や強度を大きくする。

・柱断面を大きくする。

・コンクリート強度を高める。

逆に、許容曲げモーメントが過剰な場合は、上記の対応を逆に行うことで、経済性に配慮します。

どの対応が合理的かは、材料単価、施工単価、意匠計画、施工性、他の部材との兼ね合い等により、物件ごとに異なるため、技術者の経験と判断に委ねられる部分も少なくありません。

これに対し、部材提案ツールでは「STEP1 必須事項の入力」において、柱のX方向およびY方向の長期・地震時の軸力Nと最大モーメントMを入力することで、それに対応した柱部材を、市場単価や他の条件も考慮した上で提案します。

またこの規準では、通常、以下の仕様規定を守る必要があります。

  • 柱の最小径と支点間距離の比が1/15以上であること。
  • コンクリートの全断面積に対する主筋全断面積の割合は0.8%以上であること。
  • 主筋はD16以上かつ4本以上であること。(規準ではD13以上)
  • 主筋のあきは25mm以上、かつ異形鉄筋の呼び径の1.5倍以上であること。

ツールで提案する部材は、これらの規定を満たすものに限定しています。

【参考】柱の最小径(柱の太さ)と支点間距離の比(一級建築士試験でも頻出します)

【参考】コンクリートの全断面積に対する主筋全断面積の割合(一級建築士試験でも頻出します)

 

2.せん断力に対する断面の算定

RC造柱のせん断力に対する断面算定は『鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説2018年版(書籍リンク)』の「第15条 梁・柱および柱梁接合部のせん断に対する算定」(p.154~)が参考になります。

※著作権の関係上、具体的な計算式は書籍をご確認ください。

この規準では、使用性の確保のために「長期荷重時」、および損傷制御のために「短期荷重時」の最大せん断力に対して設計することが求められています。

最大せん断力に対して許容せん断力が不足する場合、主に以下の対応方法があります。

  • せん断補強筋を増やす(間隔を狭くする、または中子筋を入れる)
  • せん断補強筋の径や強度を大きくする
  • 柱せい、柱幅を大きくする。
  • コンクリート強度を高める

逆に、許容せん断力が過剰な場合は、上記の対応を逆に行うことで、経済性を考慮します。

曲げに対する設計と同様、どの対応が合理的かは複合的な要因があり、物件ごとに異なるため、技術者の経験と判断に委ねられます。

これに対し、部材提案ツールでは、「STEP 1 応力等の入力」において、長期と短期の最大せん断力を入力することで、これらに対応し、規準を満たす柱部材を提案します。

・許容せん断力算定の際、せん断スパン比に基づく割増し係数αを計算するよう規準で示されています。

本ツールでは、STEP2の【せん断力について指定する】にて、自動計算または手動入力のいずれかを選択可能です。

短期せん断力に対する設計の際に、損傷制御のための設計、およびせん断破壊に対する安全性の検討を行わない場合は、大地震時に対する安全性の確保のための検討が求められます。

本ツールでは、STEP2の【せん断力について指定する】で「損傷制御」または「安全確保」のいずれかを選択できます。

またこの規準では、通常、以下の仕様規定を守る必要があります。

  • せん断補強筋(あばら筋)はD10以上の異形鉄筋であること。(規準では直径9mm以上の丸鋼も認められています)
  • せん断補強筋筋比0.2%以上であること。
  • せん断補強筋(あばら筋)の間隔は、100mm以下であること。

【参考】柱のせん断補強筋比の計算方法(一級建築士試験でも頻出します)

XY方向それぞれに対して柱の体積に対するせん断補強筋の体積で計算します。

3.付着に対する断面の算定

RC造柱の付着に対する断面算定は、『鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説2018年版(書籍リンク)』の「第16条 付着および継手」(p.202~)が参考になります。

引張鉄筋における付着の検討では、曲げ付着応力度Q/Σφjの検討と平均付着応力度の検討のいずれかを満たせばよいとされています。

付着の規定を満足できない場合、、主に以下の対応方法があります。

  • 主筋の周長を大きくする(主筋量を増やしたくないときは、径を小さくして本数を増やす)。
  • 柱寸法を大きくする。
  • コンクリート強度を高める。

本ツールでは、STEP2の【せん断力について指定する】において、曲げ付着応力度を満たさない部材を除外するかどうかを選択できます。平均付着応力度の検討についても、今後実装する予定です。

4.二軸曲げに対する検討

X方向及びY方向の地震時に発生する曲げモーメントに対しては、それぞれ個別に設計を行えば十分とされていますが、場合によっては同時に曲げモーメントが発生した場合を想定した設計を行う場合が考えられます。

本ツールでは、XY方向の短期応力が同時に加わる想定での部材提案を行うことが出来ます。

STEP2において、柱の二軸曲げ検討を「考慮する」にチェックした場合、提案する部材は、X方向とY方向の曲げの検定比を足し合わせた結果が、指定の検定比を下回る場合に限定します。

5.部材種別の指定

部材種別とは、ルート3で設計する場合に必要保有水平耐力Qunを算定するために必要な値です。部材種別のランクが高いほど(FAが最高、FDが最低)、靭性が高く粘り強い部材となります。

RC造柱の部材種別に対する検討は「昭和55年建設省告示第1792号)(国交省HPリンク)」において指定されています。

※リンク先「iii)鉄筋コンクリート造部材の種別の分類は表3―8及び表3―9による。」に記載があります。

RC柱の部材種別は、以下の4つの検定項目を総合的に判断して決まります。

項目1. 柱の内のり高さh0の柱幅Dに対する値(h0/D)

これは、短柱になることで脆性的な破壊を生じる危険性について評価する指標です。

項目2.崩壊メカニズム時に加わる軸応力度σ0のコンクリート設計基準強度Fcに対する値(σ0/Fc)

これは、柱に脆性的な破壊である曲げ圧縮破壊やせん断圧縮破壊を生じる危険性について評価する指標です。

項目3.引張鉄筋比(pt)

これは、柱に脆性的な破壊である付着割裂破壊を生じる危険性について評価する指標です。

項目4。崩壊メカニズム時(Ds時)に加わる平均せん断応力度τuのコンクリートの設計基準強度Fcに対する値(τu / Fc)

これは、柱に脆性的な破壊であるせん断破壊を生じる危険性について評価する指標です。

部材種別h0/Dの数値σ0/Fcの数値ptの数値τu / Fcの数値破壊の条件
FA2.5以上0.35以下0.8以下0.1以下 せん断破壊、付着割裂破壊及び圧縮破壊その他の構造耐力上支障のある急激な耐力の低下のおそれのある破壊を生じないこと
FB2.0以上0.45以下1.0以下0.125以下
FC0.55以下0.15以下
FDFA~FC以外

各項目に対して部材種別の評価を格上げしたい場合、それぞれ主に以下の対応方法があります。

項目1. h0/Dの評価を上げる場合

  • 柱断面を小さくする

項目2. σ0/Fcの評価を上げる場合

  • コンクリートの設計基準強度Fcを高める。
  • 崩壊メカニズム時(Ds時)における平均軸応力度σ0を低くするため、柱断面を大きくする。

項目3. ptの評価を上げる場合

  • 主筋の本数を減らす
  • 主筋の径を小さくする
  • 柱断面を大きくする

項目4. τu/Fcの評価を上げる場合

  • コンクリートの設計基準強度Fcを高める。
  • 崩壊メカニズム時(Ds時)における平均軸応力度τuを低くするため、柱断面を大きくする。

これらの項目1~4の検定の中で、最も低い評価が最終的な部材種別となるため、各項目への対応を総合的に判断する必要があります。

また、「柱断面を小さくする」や「主筋の本数を減らす」といった対策は、許容応力度計算において不利になるため、技術者の経験や勘に基づいた慎重な判断が求められます。

この点に対して、本ツールでは、STEP2の条件設定内にある【部材種別について指定する】機能を利用することで、部材種別および設計応力の全条件を満たした上で、経済的な部材を提案することが可能です。

最終的な部材種別を指定する場合」から選択すると、指定条件に合致する部材種別の部材のみを提案します。

また、「最終的な部材種別を指定する場合」の項目を「制限を設けない」として、個別の検定項目で部材種別を指定することも可能です。

なお、この機能を使用する場合は、崩壊メカニズム時(Ds時)の軸力Nとせん断力Qの入力が必要です。

6. 水平投影定着長さLa

水平投影定着長さとは、主筋を接続先の部材へ水平方向にどれだけ入れなければならないかを示す値です。

このうち、Laとは柱への梁の水平投影定着長さを指します。

Laの規定値は、下記の表のようにコンクリートの強度Fcと梁主筋径によって決まります。具体的な値は「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(国交省HPリンク)」のp29において以下のように指定されています。

鉄筋の種類コンクリートの設計基準強度Fc(N/mm²)La
(dは主筋の呼び径)
Lb
(dは主筋の呼び径)
SD295A2115d以上15d以上
24、2715d以上15d以上
30、33、3615d以上15d以上
SD3452120d以上20d以上
24、2720d以上15d以上
30、33、3615d以上15d以上
SD3902120d以上20d以上
24、2720d以上20d以上
30、33、3620d以上15d以上

水平投影定着長さLaを確保できない場合は、主に以下の対応方法があります。

・接続先の柱の断面を大きくする。

・接続先の柱のコンクリート設計基準強度Fcを高める。

・接続元のはりの主筋径を小さくする。

・接続元のはりの主筋の段数を2段から1段にする。

本ツールでは、STEP2の【配筋の納まりについて指定する】において、以下の選択肢があります。

おすすめする柱「へ」接続する梁からの投影定着長さLa を確保するか否かを選択できます。

投影定着長さを確保する場合は、接続元の梁端部主筋の段数を径を指定する必要があります。

7. 最上階の大梁への主筋定着長さL2

最上階の柱の主筋は、鉛直方向にL2以上定着させる必要があります。

このL2を確保するためには、柱主筋の径や梁せいを適切に決定する必要があります。なお、柱主筋の4隅はフック付きになるため、梁主筋の下端までしか伸ばせないことが多い点に留意しなければなりません。

具体的なL2の規定値は、下記の表のようにコンクリートの強度Fcと梁主筋径によって決まります。

具体的な値は「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(国交省HPリンク)」のp28において以下のように指定されています。

鉄筋の種類コンクリートの設計基準強度Fc(N/mm²)L2
(dは主筋の呼び径)
SD295A2135d以上
24、2730d以上
30、33、3630d以上
SD3452135d以上
24、2735d以上
30、33、3630d以上
SD3902140d以上
24、2740d以上
30、33、3635d以上

柱からの定着長さL2を確保できない場合は、主に以下の対応方法があります。

・接続元の柱の主筋径を小さくする。

・接続先のはりせいを大きくする。

・接続先のはりのコンクリート設計基準強度Fcを高める。

・接続先のはりの主筋の段数を2段から1段にする。

これに対し、本ツールではSTEP2の【配筋の納まりについて指定する】において、以下の選択肢があります。

おすすめする柱の柱頭「が」接続する大梁への定着長さL2 を確保できるものとするかどうかを選択できます。

定着長さを確保する場合は、接続先のはり主筋の段数とはりせいを指定する必要があります。

なお、ツールにおけるL2を確保できるかの判定は以下の想定で行っています。

かぶり厚40mm、はりのせん断補強筋径D13、はりの主筋は提案する柱と同径。

8. 最多主筋本数と最小主筋本数

主筋本数毎の最小柱幅は日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算用資料集(購入ページリンク)」に示されています。

これに基づいて、柱の太さに対する最多主筋本数を検討することができます。

片側フック・フック先曲げでかぶり厚さ40mmを想定した場合の主筋本数毎の最小柱幅は次のとおりです。

鉄筋の種類と主筋本数毎の柱幅の最小寸法(mm)

主筋径HOOP径2345678910
D22D10200245305360420480535595650
D22D13215260320375435495550610665
D25D10210265330395460530595660725
D25D13220275340405470540605670735
D25D16240295360425490560625690755
D29D13230300375450530605685760835
D29D16245315390465545620700775850
D32D13240315400480565650735820900
D32D16250325410495580660745830915
D35D13255335430520615710800895985
D35D16265345440530625720810905995
D38D162703604605606607608609601060

片側フック・フック後曲げでかぶり厚さ40mmを想定した場合の主筋本数毎の最小柱幅は次のとおりです。

片側フック・フック後曲げ 

鉄筋の種類と主筋本数毎の柱幅の最小寸法(mm)

主筋径HOOP径2345678910
D22D10235295350410465525585640700
D22D13270330390445505560620680735
D25D10240305370435600570635700765
D25D13275340405470540605670735800
D25D16310380445510575640710775840
D29D13280355430510585665740815895
D29D16315395470550625700780855935
D32D13280365450530615700785870950
D32D16320405485570655740825905990
D35D132853754705656557508409351030
D35D163204155106006957858809751065
D38D1632541552562572582592510251125

交互フック・フック先曲げでかぶり厚さ40mmを想定した場合の主筋本数毎の最小柱幅は次のとおりです。

交互フック・フック先曲げ 

鉄筋の種類と主筋本数毎の柱幅の最小寸法(mm)

主筋径HOOP径2345678910
D22D10210255305360420480535595650
D22D13240275325380440500555615670
D25D10215275330395460530595660725
D25D13245285340405470540605670735
D25D16275315370435500570635700765
D29D13245310375450530605685760835
D29D16280325395470545625700780855
D32D13250325400480565650735820900
D32D16285335410495580660745830915
D35D13255345430520615710800895985
D35D16285355440530625720810905995
D38D162903704605606607608609601060

本ツールでは、STEP2の【配筋の納まりについて指定する】において、指定したHOOPの仕様(径、端部)と平均かぶり厚さに応じて、成立する配筋の部材のみを提案します。

一方で、柱の最小主筋本数として、四隅に主筋を配筋することが定められています。

本ツールでは、STEP2の【配筋の納まりについて指定する】において、最多主筋本数と最小主筋本数からの余裕を指定することが出来ます。

最多主筋本数に対して、主筋本数が任意倍以下の部材のみを提案できます。

これは、設計初期などで主筋本数に余裕をもたせたい時に便利です。

最少主筋本数(4本)に対して、主筋本数が任意倍以上の部材のみを提案出来ます。

上階で主筋を減らすことを見込んでおきたい時に便利です。

9. ツールの基本的な使い方

STEP1:応力等の入力

 検定比(初期値は0.95以下)、大梁長さ、長期曲げモーメント(端部、中央)、長期せん断力、短期曲げモーメント(端部、中央)、短期せん断力を指定します。

※単位はSI単位系です。長さは[m]、軸力Nとせん断力Qは[kN]、曲げモーメントMは[kN・m]です。

 また、入力した応力が部材自重による応力を含んでいるか否かを選択することでより正確に部材をおすすめすることが可能です。

 大梁の応力は電算の値を入力する場合が多いと思いますので、見込んだ値を選択することをおすすめします。

デフォルトではテキスト入力となっています。

PCでツールを利用する際はテキスト入力が使いやすいですが、スマートフォンやタブレットで利用する際には、スライド入力が有利になる場合もあります。

スライド入力に変更する場合は、STEP1最上段の【スライド入力に変更】をクリックして下さい。

スライド入力の状態からテキスト入力に変更する場合には【テキスト入力に変更】をクリックして下さい。

STEP2:条件の指定

 たわみや配筋の納まりといった設計方針、および部材種別、はりせい、コンクリート強度、鉄筋径等の部材の条件を指定します。

STEP3:システムを実行

 【おすすめ部材を表示】ボタンをクリックすると設定応力や設計方針を満たす経済的なおすすめ部材の案を表示します。

システムを実行してからおすすめを表示するまで通常20秒程を要しますが、STEP2でコンクリート基準強度Fcや柱はばを指定すると検討速度が数倍になります。

検討中の画面からおすすめが表示されない場合は、ブラウザの更新をお試し下さい。

10.ツールの効果的な使い方

条件を絞りすぎない設計検討

特に条件が決まっていない場合は、まずはSTEP2内の「部材の特徴について指定する」をスキップしてSTEP3を先に実行することをおすすめします。

これにより、普段選択しない部材の中から経済的なものが見つかるチャンスが広がります。

また、STEP3実行後でも、直前に入力した応力条件は引き継がれますので、一度表示されたおすすめ部材を確認し、その後でSTEP2の条件を絞り込みを行う手順でも労力を抑えられます。

おすすめ部材を基にした改善検討

 おすすめ部材では全断面の部材が表示されますが、次の手順で「この部材を条件に指定」ボタンを活用すると上階の柱の検討が容易です。

1. まず条件が厳しい下層階柱の応力を入力します。

2. 次に選んだおすすめ部材の直下にある「この部材を条件に指定」ボタンをクリックします

3. STEP1に応力条件、STEP2に選択部材が入力された状態になります

4. STEP1の応力値を同符号の上階の値に変更した後にもう一度STEP3を実行するとその位置での経済的な主筋量が表示されます。

11.ツールの対象範囲

 本ツールで対象としている範囲は以下の通りです

柱せい(mm)500〜1000までの50mm刻み
コンクリート強度基準Fc(N/mm221、24、27、30、33、36
主筋D22、D25、D29、D32、D35、D38
主筋の配置1段
HOOP(せん断補強筋)D10、D13、D16
HOOP本数2~7(主筋本数以下)
HOOPピッチ(mm)※1100
HOOP量せん断補強筋比0.2%以上
鉄筋鋼種D16以下はSD295、D19以上はD345

   ※1. 同等のせん断補強筋量となる部材は同一としています

12.ツールのコスト計算根拠

 おすすめ部材に表示される参考コストは以下の団体様より一般公開されているデータに基づいて算定しています。

施工手間費(型枠は材工共)

参考HP:「一般財団法人建物物価調査会」様 2024.9時点 リンクに移動

具体的な単価に関しては、参考HPをご参照ください。

参考HPの鉄筋ガス圧接手間の単価はD25の値ですが、コスト算出の際は全鉄筋径で共通としています。

また圧接箇所数は主筋1本当たり2か所としています。

こちらのHPでは種々の工事毎の費用や市況などを公表されています。

コンクリート材料費(普通コンクリート)

参考HP:「名古屋生コンクリート協同組合」様 2024.9時点 リンクに移動

具体的な単価に関しては、参考HPをご参照ください。

Fc33以下のものは、普通コンクリート スランプ5~21cm AE減水剤の価格を参照しています。
また、Fc33以上のものは、普通コンクリート スランプ5~21cm 高性能AE減水剤の価格を参照しています。

こちらのHPでは減水剤や骨材の違いによる価格の違い等も公表されています。

鉄筋材料費

参考HP:「東京製鐵株式会社」様 2024.9時点 リンクに移動

具体的な単価に関しては、参考HPをご参照ください。

こちらのHPでは型鋼や板材の価格等も公表されています。

鉄筋の躯体数量は、継手や定着を加味して1割程割増しした値で算出しています。

13. 参考にさせて頂いた書籍とHPリンク集

■参考書籍販売ページ

・日本建築学会様「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」リンクに移動

■参考HP

・ 昭和55年建設省告示第1792号)リンクに移動

・「一般財団法人建物物価調査会」様 2024.3時点 リンクに移動

・「名古屋生コンクリート協同組合」様 2024.4時点 リンクに移動

・「東京製鐵株式会社」様 2024.8時点 リンクに移動

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本ツールが皆様の設計に役立つことを願っております。

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