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この記事では、R6年度一級建築士製図試験に向けた記述対策として課題文「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする」への解説と対策をまとめています。
記述解答例の丸暗記では不十分になりがちな「なぜそうするのか」を補う内容になっていると思います。
ぜひ参考にしてください。
1. R6年度設計製図課題
建築技術教育普及センターが公開したR6年度の設計製図試験の課題は「大学」がテーマです。
公開された情報には「要求図書」と「建築物の計画に当たっての留意事項」が含まれており、「要求図書」は回答すべき成果物、「留意事項」は対策のヒントとしてとらえることが出来ます。
2. 注目すべき文言
特に注目したいのは「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする」という文言です。
これが例年にはない追加要件であり、事前にしっかりと対策を取る必要があります。
3. 国交省によるガイドライン
建築物の機能継続については、国土交通省が公開しているガイドラインが参考になります。
ガイドラインの構成は以下の通りです。
はじめに
1.本ガイドラインの目的
2.活用が想定される建築
3.防災拠点等となる建築物の設計等にあたっての関係者の役割
4.機能継続に係る目標
5.立地計画
6.建築計画
7.構造計画(構造躯体及び非構造部材の耐震設計)
8.設備計画(耐震設計及びライフライン途絶対策)
9.大地震時の円滑な機能継続確保のための平時からの準備
この内、試験対策として特に重要なのが「はじめに」と「4.機能継続に係る目標」、そして「7.構造計画」です。
可能であればガイドライン全体を通読することをお勧めします。
4. 試験対策のポイント
ガイドラインでは、建築物の機能を継続させるために
倒壊・崩壊を防止するだけではなく構造躯体の部分的な損傷や、非構造部材、建築設備への対策をする必要がある。
とされています。
そのため、試験対策としては
「構造計画では構造体の変形量を抑えて非構造部材、建築設備に機能継続上の支障が生じにくくする」がポイントになります。
5. 解答の形はこんな感じ?
以上から、ガイドラインを基に解答文として落とし込むと、例えば、
「構造計画として~にすることで、構造体の変形を抑制して非構造部材や建築設備に機能継続上の支障となる損傷が生じないように配慮した。」といった形が考えられます。
6. 具体的な構造計画の工夫
◎〇△は建築士試験の答えとして採用しやすいおすすめ順です
キーワード | ポイント | |
◎ | 整形な形状 | 整形な形状のプランであれば、回答に使用できるので、汎用性が高いです。 ただ、これだけでは弱い気がします。 |
◎ | 地震力を十分に割増して保有水平耐力計算を行う | 変形量が小さい段階で、必要保有水平耐力を満足させる設計とする。 という表現も可能だと思います。 |
〇 | 壁式RC造等の構造形式を選択する | 変形の小さい構造を選択すると説得力が増しますが、選択した構造として妥当な設計・図面にする必要があります |
〇 | 免震構造等の構造形式を選択する | 変形の小さい構造を選択すると説得力が増しますが、選択した構造として妥当な設計・図面にする必要があります |
△ | 時刻歴応答計算で変形量を精度良く計算して、個別に変形追従性を検討する | 一般的に高層や免震以外では、時刻歴応答計算をすることはほとんどないので、あまりお勧めしません |
7. 印刷用資料
印刷用の資料として、Xに投稿した画像データを添付しますのでご活用ください。
8.終わりに
いかがでしたか。
この記事は、X(旧Twitter)で公開し反響をいただいた情報を元にしていますが、ブログで共有することでさらに多くの方の試験対策に役立てればと思います。
試験日までに一人でも多くの方に届くことを願っています。
頑張ってください!応援しています。
Xでも日々情報を発信しています。
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